2020/04/25

歴代総リーダーに聞く、30年を振り返って 

2020年3月例会にお話をしていただくことになっていた「30年を振り返って、歴代総リーダーに聞くシリーズ」2009年度総リーダー、楠さんと2010年度総リーダー藤本さんから原稿をいただきました。コロナ危機で活動が停止したかに見える今ですが、お二人のお話から昔を懐かしむだけでなく、これからの友の会を皆で考えていきたいと思います。(H.Oi)
「30年を振り返って」    池田方面 楠 千代
私が総リーダーをさせていただいたのは、豊中友の会20周年を迎えた2009年です。前年度の10月に今の新しい友の家が完成して引っ越し、12月に竣工式を執り行い、2月には近隣の方にも友の家を知っていただく意味を含めての「友の家オープンハウス」を開催しました。それまでの友の家は、今のこの友の家を建て替える前にあった2軒の家で、入ったところをリフォームして、真ん中に大きな机を置き広い台所にしてありました。

 そこでの私の一番の思い出は、豊中東方面の野方さんが先生になって月1回行っていた「パン勉強会」です。もともと自己流でパン作りをしていた私はすぐに参加しました。野方さんの手は本当に丸っこくてパンのような手でしたが、その手から本当に美味しいパンが出来上がりました。毎月とても楽しみに通いその時のレシピは今でも使っています。
3年ほど参加してますますパン作りが好きになり、のちに民間のパン教室に通い今に至っています。

 私は2人の子どもに教育費のかかる13年間、2004年3月までは仕事をしていました。その間は細々と繋がっていましたが、久しぶりに戻ってきた時には皆さんのやさしさ、居心地の良さをひしひしと感じたものでした。数年後、委員2年目で総リーダーを引き受けることにしました。総リーダーを決める時の、候補に挙がった人が集まっての話し合いの空気に耐え切れず何とかなるかと思い引き受けたのです。でもやはり2年目の総リーダーは何をしてよいかわからず、頼りなくて、支えてくださった委員会の皆さんは大変だったと思います。

 この年は豊中友の会20周年の年で、5月には106名出席して「豊中友の会創立20周年記念例会」が行なわれました。ホールの横壁には20年間の年表が貼られ、豊中友の会の歴史を皆で振り返りました。2階には「アートあい」の例会完全出席者へのブックカバーとクリスマス例会時に頂いた栞が展示され、改めてそのクオリティの高さや数の多さに感激しました。また、会員各自がはがきに書いた「心に残った著作集の言葉」の展示も一人一人の顔を思い浮かべながら読みました。

 20周年記念として開催したのが辰巳 渚氏の講演会で「家のコトは生きるコト」と題してほんとうに豊かな暮らしとはどうすることなのかを話していただきました。終わった後に手作りのお弁当を先生と二人で食べたのは貴重な思い出です。

 12月のクリスマス礼拝には北海道の新得共同学舎代表の宮島望氏に来ていただき、厳しい大自然の中で生活している仲間について話してくださいました。

 その他にも乳幼児講習会2回、例会食が始まり、友の会に参加できない高年の方に月1回心のこもった「野の花弁当」を届ける活動が始まり、家事家計講習会は12会場で開催、浦さんを囲んでの会、お正月料理講習会、リサイクルの会、洗濯講習会、友の家まつりをしました。10年前にはこんなに多くの活動をしていたのだと改めて思い出しました。

 時代が進み、女性が働きに出ることが当たり前の時代へと変わって来ました。時代の流れには逆らえないので、時代にあった友の会の在り方を模索しつつ歩んでいくことがこれからの友の会に求められているのだと思います。

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「2010年度 総リーダーをして」    吹田方面 藤本ゆみ子 
 ちょうど10年前、全国友の会創立80周年の年に総リーダーをしました。
その年のテーマは「80年の感謝と希望 羽仁もと子の著作集を生きる~家庭から社会へ~」でした。豊中友の会のテーマは「最寄を元気に! 適量を暮らす、丁寧に暮らす!」としました。
 残念ながら今年は記念の大会は開かれませんが、10年前の大会は在会年数70年以上の会員の招待がありました。 豊中友の会は、前の豊中東方面、湯田さんが該当者で、出席は叶いませんでしたが、お話を聞きにご自宅に伺いました。90代後半で一人住まいの湯田さんは「目安に沿って生協に注文して 家計簿をつけなくてはならないでしょ」と かくしゃくとしていらして、友の会の地に足をつけた生活とはこういうものかと「地道な生活が友の会の精神」を間近に見せていただきました。

 その1年は 友の会80年の記念行事、友の会を広く知ってもらう機会ととらえ活動を進めていきました。
 一つの柱に基礎講習の充実がありました。回数は5回、曜日は土曜日、他に2学期に洋食、和食、パンの実習講習もありました。どの講習会もほぼ満席の申し込みがありました。
 2月には締めくくりに元友の会会員の三宅幸子氏を迎えて料理講習会を午前、午後2度に分けて行いました。100人以上のお客様を迎えることができました。この行事には食研究部の皆様と 食の係の方たちがとても大きな力を出してくれました。
 
 その他、印象深いことは8月例会、岩渕さんの「東京空襲を体験して」、だんだん自分の経験として話をしてくださる方が少なくなっていく中、胸にいつまでも刻まれました。
クリスマスを迎える例会で チャプレン今城慰作先生(現・北星学園高校長)をお招きしました。 叔母が緩和ケア病棟に入院中、チャプレンについていつも話していて、実際そのお仕事をされている方と、総リーダーとしてコンタクトを取らせてもらい、叔母の救われた心がよく理解できました。
 
 3月は「私たちの暮らし展」、2日にわたって開催しました。各最寄に今までの最寄勉強の発表をしてもらいました。展示あり、ミニ講習あり、講習は2日間で13回もすることができました。タイムスケジュールを組む係は本当に大変でした。人の流れをスムーズに誘導するのも、まだ友の家で友愛セールも経験していなかったので、試行錯誤の連続でした。

 最後に大きな出来事は東北大震災が起き、委員会の最中に福島原発の爆発ニュースを聞きました。友の会の取るべき道、支援はどのように!の模索が始まりました。
すぐに要請があったのは、新1年生のためのレッスンバックなど一式の制作でした。 

 こうして2010年度の1年を振り返ってみますと 多くの人に助けられて行事をしてきたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
 友の会というところはみんなの力を結集して進んでいく組織だということです。私など微力だと小さくなっていないで200人の力を借りれば、みんなの知恵を集めればきっと新しい未来が見えると思いました。